5S活動から現場活動に発展させるヒント集です

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1人で学ぶ
「5S改善を止めないための15のヒント」 -5S活動の誤解-
13.自分で考えてやってみることが重要です
5S改善の推進の中でもっとも重要なのは、推進メンバーが自分で考えて実践することです。この反対の状態が、「やらされ」です。社長や上司が指示をすれば、確かに5S活動は早く進みます。社長自らが指示を行い、5S活動を長期間にわたり推進して、成果を出している会社もあります。しかし社長が指示しなくなると、5S活動は進むのでしょうか?

現在は大きな変化の時代であるため、経営も変化対応することが極めて重要なのです。社長が5Sまでを指示すること自体は悪いことではないのですが、日々変化する経営をしっかり行ないながら、5S推進の指示を出し続けることは、極めて大変なことだと思います。それぞれの職場で、そのメンバーがしっかりと考えて実践できるようにすることが重要なのです。職場のメンバーが、自ら5S改善を実践できるようになると、確実に現場が元気になります。

その実現のためには、5S推進でやりがい感を感じられるようにすることが、もっとも重要です。やりがい感、つまり、モラールを向上させるためには、どうすれば良いでしょうか? 給料や昇格に反映する、ボーナスや報奨金などの一時金を支給する、などが考えられます。これらの方法もモラールは向上するのですが、デメリットはモラールが維持できないことです。急速にモラールが向上しますが、あっという間に低下してしまうのです。ずっと昇給し続けることが出来ないからです。一時金も、金額を上げ続けないと満足感が低下してしまいます。

もっとも良い方法は、「自分で考え、自分でやってみて、工夫しながら上手くいって、褒められる」というプロセスを経験することだと考えています。このプロセスを経験できる、もっとも良い方法が「5S」なのです。特に5Sの中の「整理・清掃・整頓」の3Sを、推進メンバーで考えて実践することです。5Sを推進すれば、仕事は必ず楽になるので、業務の負荷が増えることはありません。成果がではじめると、5Sを楽しく推進することができるようになります。

5S推進を自分で考え実践して、例え失敗しても、経営の足を引っ張ることにはなりません大きな投資を必要としないからです。もちろん、業務の中で考えて実践してみても良いのですが、業務自体を変えることになるので、上手くいかなかった場合は経営に影響する可能性があります。5S推進の中で行うのであれば、もし上手くいかなくても、元に戻せば全く問題は発生しません。5Sを行わなくて、日々の業務は進んでいるので、ゼロに戻るだけで、マイナスになることはないのです。つまり、モラールを維持する訓練が、5S推進を通して行うことができるのです。

さらに5Sを進めていると、ある時点から現場改善に発展します。5S推進で、ムダが見えるようなるためです。現場改善に展開できるようになると、確実に経営効果を出すことができます。つまり、5Sや現場改善は、会社の業務を円滑に進めるための管理技術なのです。5S改善だけではあまり効果が出ないのですが、業務の中で上手く推進できると、業務効率を極めて高めることができるようになります。それほど、人間のパワーは驚くほど大きいのです。業務の中で、このパワーを引き出すことのできるのは、5S改善しかないと考えています。

5S活動 現場改善をはじめましょう
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