5S活動から現場活動に発展させるヒント集です

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1人で学ぶ
「5S改善を止めないための15のヒント」 -5S活動の誤解-
12.5Sから現場改善に展開しましょう
5S活動が順調に進んでくると、いつの間にか、現場改善に展開していることが多くあります。最初は、キレイにする、スッキリするという掃除の延長の感覚だったものが、仕事が楽にできるようになると、ムダが気になるようになるからです。これは、工場だけでなく、事務所の仕事でも同じです。現場改善は工場だけでなく、サービス業などの事務所でも同じようにでき、効果を出すことができるものなのです。効果としては、生産性向上、品質安定、安全性の向上、そして、もっとも大きな効果はメンバーが元気になることです。モチベーションが、必ず向上します。

あなたの周りの職場にも、家の中にも、様々な「ムダ」があります。調べてみると、「ムダとは役に立たないこと。それをしただけのかいがないこと」と出て来ました。「ムダ」は役にたたないものなのでしょうか? そうでは、ありません。私は、「ムダ」は日本の中に埋まっている一つの「資源」だと考えている位です。この「ムダ」が、日本の現場に埋もれているのですが、日本独特の産業の発展が影響していると考えており、高度成長時代にたくさんのムダが日本に埋もれたのです。ムダを役にたつものに変えることが重要です。これが、現場改善なのです。

しかし、改善というと、トヨタ生産方式やIE(インダストリアルエンジニアリング)などの難しい手法を使わないとできないと思ってしまいます。特に、IEでは、ストップウォッチが使えないとできないと思っている人がいらっしゃるでしょう。決して、難しく考える必要はありません。まずは、何かを探すこと、ものを落とすなどやりにくいところ、ものを取るために歩くこと、この3つだけを無くすだけでも、かなり仕事は楽になります。つまり、改善をスタートした当初は、ストップウォッチは不要なのです。

この3つを実現するためには、5S活動が必須になります。あなたの周りに、使わないものがたくさんあれば、必ず探しのムダが発生します。ものがいっぱいあると、取りやすい置き方ができず遠くに置くと、取り損なって落とすことが発生します。必要なものを置くスペースがなくなり、離れたカウンターから取るようになります。つまり、必要なもの手元化すべきなのに、ものが多すぎてできない状態になります。PCをスタンドに置くとか、脇机を使ったりして、無理やり作業エリアを広げているのを見かけますが、さらにたくさんの使わないものを置くだけになっていることが多いようです。広い作業エリアの中で、手狭に作業をしている様子を見ると、実に滑稽な感じです。このように、5Sから現場改善に展開できるものなのです。

もう一つのやっかいなものが、「バラつき」です。不良も、バラツキが原因で発生するものが大半です。不良発生までしなくても、生産性の足を引っ張るのです。調子よく仕事をしているのに、何か必要なものがないと探しのムダが発生し、ペースが狂ってしまいます。時間をかけて探したのに出てこなかったら、そこで大きくモチベーションも低下します。つまり、仕事を早くできるようにするより、バラツキなく安定して業務をできるようにすることが、大きな効果を生むのです。時間をかけて探した後、無理して急いでつじつまを合わすことを、決してメリハリをつけるとは言いません。仕事を安定して行うためにも、この5S改善が大きな効果を発揮するのです。

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