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「楽々改善ストリート3」 現場改善を楽しむ
2018.4.10 <第14号>

お疲れさまです。現場改善コーチの来嶋です。
あなたの5S改善は、順調でしょうか?
少しでも改善を進めて、楽に楽しくなって欲しいと願っています。

メールマガジン「楽々改善ストリート3」第14号をお届けします。

私事ですが家内が入院しており、毎日、病院に行っています。
すると、病院内の5Sがとても気になります。特に、病室には長い時間いるため、汚れやほこりがあると気になります。
あらためて、5Sは大事だなと感じています。

「現場改善を楽しむ」の14回目は、トヨタの工場を見学すると、びっくりする「平準化生産」についてお伝えします。
何と、コンベアに並んでいる自動車が、白/黒/赤、4ドア/2ドアなどバラバラに流れているのです。
だんだん実現することが難しくなっていきますが、考え方を理解することは重要です。

まずは、TPSの理解からスタートし、すぐに実践できるようにしたいと考えています。
次の手順で進めて下されば、嬉しいです。

(1)「現場改善を楽しむ」を読んで、概要を理解してください。
(2)実践すべき内容を、説明します。1週間で、ゆっくり実践してください。
(3)悩むことが発生したら、下記のメールアドレスにご連絡ください。ヒントをお送りします。

進めていく中での「悩んだこと」はじめ、ご意見・ご提案をお待ちしています。

※HPからご登録頂いた方、名刺やメールを頂きました方に発信させて頂いています。

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誰にも聞けない「トヨタ生産方式」
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<13章>平準化生産とは?

トヨタの工場をはじめて見学すると、大いにびっくりすることがあります。
コンベアに並んでいる自動車が、白/黒/赤、4ドア/2ドアなどバラバラに流れているのです。
1台1台、使う部品も作業も違うのですが、作業者はテキパキと同じサイクルタイムで作業をしているのです。

これが、TPSの「平準化生産」です。正確にいうと、「品種の平準化」です。
自動車をまとめて何台も一度に買う人はいません。
1つの車種を選び、色を決め、さらに、様々なオプションの中から欲しいものだけ選びます。

つまり、自動車は1台1台、違った仕様のものが売れるのです。
ジャストインタイムの考え方で、売れた自動車を生産しているので、1台1台、違う自動車が並んでいるのです。
同じ自動車でも、他社の軽自動車のラインでは同じ色の同車種がコンベアに並んでいるのを見て、反対に違和感を感じたのを記憶しています。

今では、価値観の多様化は納得できますが、トヨタでは1950年代から、この平準化生産をスタートさせているので驚きです。
まだ、オプションもあまりないし、日本では自動車が少なかった時代なので、まとめ生産で対応できたと思います。
すでに、この時代からトヨタでは「多様化」という表現で、将来の車種の多様化のために、1台を追求した平準化を推進したのです。

TPSの平準化は「1ロット=1台」で実現されているのです。
しかし、この「1個流し」はかなりハードルが高く、無理して実現するのは得策ではありません。
そのため、出来る限りロットを小さくして、1日に多くの品種を生産することは可能です。
それぞれの工場の実力や製品の特性に合った品種の平準化を行うことが非常に重要です。

ロットサイズを小さくできれば、生産リードタイムが短縮され、現場の仕掛在庫を削減できます。
どのように実現するのか検討し、試行錯誤しながら実践していくのは、かなり大変な道のりです。
でも、効果がではじめると、現場の仕掛在庫はかなり減らすことが出来て、スッキリします。
何よりも大きな成果は、現場改善が継続的にできる工場になることだと考えています。

もう一つの平準化があります。こちらの方が実現の難易度は低いです。
それは「生産量の平準化」です。一般的に平準化生産というと、こちらを指していることが多いと思います。
毎日の生産数量を均一化するということです。

生産能力を超す数量を生産する場合は、残業や休日出勤が必要になります。
しかし、毎日、出来るだけ均一に生産する方が生産性が良いことは誰でも知っています。
その実現のために、完成品在庫は一時的に増えるけれど、先行生産を行うのです。

不確定な注文を生産すると後で大変なことになるので、出来るだけ確定に近い注文だけを先行生産するのが良いです。
毎月、ほぼ同じ大きな量の注文が入っている品種や、内示などが出ていて注文待ちの状態の品種などが望ましいです。
適切なロットがなければ、廃棄覚悟で先行生産を行うか、残業や休日出勤で対応すべきか、みなさんで決めれば良いと思います。

トヨタはじめ自動車メーカーは、祝日を出勤日にして、毎週5日間の「生産量の平準化」を行っています。
そのため、交替制勤務ですが、毎週、同じペースの勤務になっています。
あれだけの大きなラインを立ち上げたり、電源を落としたりする訳ですので、週の真ん中に一日だけ休みがあるのは、極めて非効率なのでしょう。

できる限り、残業や休日出勤を不要になるように、前もって準備し「生産量の平準化」を行うことが重要です。
さらに、かなり難しいですが「品種の平準化」のため、生産ロットサイズを最小にすることにもチャレンジしてください。

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さあ、実践してみよう
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TPSの「平準化生産」とは、売れ方に合わせたモノづくりの方法です。
オフィスの仕事であれば、要望されたとおりに仕事をするイメージです。なかなか、納期通りにできないことがありますね。

◇「売れ方」を、しっかり見てみましょう。

・売れ方とは、生産計画ではありません。実際に、売れたものです。どのように売れているのでしょうか?
 生産と販売が一緒でない場合が多いので、生産だけを行っている会社では、出荷と考えると分かりやすいです。

・毎日、売れる品番はどのように変化していますか? 販売量の変動は、どうでしょうか?

◇売れ方と、毎日の生産実績と比較してみましょう。その差が、在庫になっています。

・売れ方に近づけるために、どのようにすればよいでしょうか?

・たぶん、まとめて生産をしていると思います。現在の半分の生産数で生産すると、どうなるでしょうか?

◇オフィスの仕事では、要望された仕事が一覧として見えるかチェックしてください。

・よく、付箋にメモしたものをPCなどに貼り付けているのを見かけます。
 緊急度が分かりますか? 外れてなくなってしまいませんか?

・もっとも分かりやすいのは、To-Doリストだと思います。
 左に、□印を書いて、タスクを緊急順に書いていきます。終われば、□にれチェックを入れます。
 毎日、更新するのがベストです。

さあ、ゆっくり実践してみましょう!

 
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