5S活動から現場活動に発展させるヒント集です

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「5S改善を止めないための15のヒント」 -5S活動の誤解-
7.整頓の前に整列を行うと楽に進みます
5Sは整理・整頓と呼ばれるためか、いきなり整頓を行うケースをよく見かけます。整理を行わないで整頓に入るのは無茶ですが、正しく整理~清掃から整頓を行っても、上手く進まないことがあります。それは「整列」を行わないからです。整頓の準備として「整列」を行うと「整頓」がうまく行えます。「整列」とは、ものの置き方のことです。

「整列」のポイントは、ものを取りやすく、元に戻しやすいことです。特に、文房具などを確実に元に戻せるようにすることが重要です。「整列」は、ものを「直角平行」に取りやすく戻しやすい位置に置くということです。よく使うものを手前に、あまり使わないものを奥の方に置くと、作業効率が良くなります。重要なのは、使うものだけを机や作業台に置くことです。

机の上にペン立てや、作業台の上にレンチセットを置いているのを見かけます。もちろん、使っているのでしょうが、ペン立ての中のペンを全て使いますか? レンチセットのレンチを全て使いますか? まず、全てを使うことはありません。よく使うペンやレンチは、2~3本しかないからです。そのため、ペン立ては不要です。汚くなるだけです。レンチセットからレンチの取り出しや、戻す時間がムダなのです。

使うものだけを、1か所に集めて使い易いように、直角平行に置きましょう。一般的には、ラベルを貼って整頓を行うのですが、その前に、本当に使いやすいか見極めることが重要です。そのため、養生テープなどを貼って、手書きで置くものの名称を書いて、置く場所と品名を決めます。そのステップが「整列」です。1週間や1か月と期間限定で、使いやすさの確認を行うのです。使いにくければ場所を変えても構いません。養生テープで貼ってあるので、簡単に場所を移すことができます。その際、重要なのは試行期間を決めることです。同じように、養生テープの上に「〇月△日まで確認実施中」と明記することを忘れないようにしてください。

使いやすい位置が決まったら、誰が見ても正しい位置であることが、一目で分かるようにします。これが「整頓」で、決めた置き場所をラベルで示すのです。置く場所を決めるためには、3つのこと「定位置、定品、定量(三定)」を決める必要があります。ものを置く位置、何を置くか、そして、数量を決めます。例えば、「一番上の引き出しに、黒・赤・青のペンを、各1本」という感じです。

整頓で重要なのは変化に対応できることです。今は変化の時代なので、必要な工具や材料は、どんどん変化していきます。工具や材料の三定は、みんなで守るのが基本ですが、生産品種や作り方の変化に対応した改善を行って、さらに使いやすいものの置き方をすることが重要です。例えば、ラベルをマグネット・シートに貼り付けると、位置変更が簡単に行えます。写真を使うと、多くの文房具や工具の位置が一目でわかります。工具の形にくり抜いたマット(姿置き・形跡管理)を見かけますが、製作に時間がかかる上、よごれると汚いので、私はお勧めしません。製作に手間がかかるので、どうしても改善にブレーキがかかってしまうものです。現場改善は、楽に楽しく進めたいものです。はじめての現場を訪問して、正しい位置が一目で分かるのは、とても感動するものです。

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