「5S改善を楽しむ」 <5S教室 テキスト> |
1.5Sとは? さまざまな効果 |
【まとめ】
5S改善の推進は、「整理・清掃・整頓」の3Sを、この順番で進めることを推奨しています。
この3Sをきっちり進めると、後の2Sである「清潔・しつけ」が出来るようになります。
「整理」は、要るものと要らないものを分けて、要らないものを捨てること
「清掃」は、いつもピカピカにきれいに保つこと
「整頓」は、必要なものがすぐに取り出すことができ、そして、すぐに元に戻すことができること
「清潔」は、この3Sをずっと維持すること
「しつけ」は、みんなで決めたことをみんなで守ること。
5Sは、現場がスッキリして作業が行いやすくなることだけでなく、安全性が高まる、生産性が向上する、品質が安定するなどのさまざまな効果を出すことができます。
5Sは現場改善には必ず必要なものです。
「現場改善そのもの」です。
5Sからスタートしなければ、現場改善は上手く進みません。私は5Sから現場改善に展開させるので、「5S改善」と呼んでいます。
5S改善とは「決めて、守る」ことのトレーニング、つまり、「人材育成」そのものなのです。
【1】5Sの「5つのS」とは?
「5Sってよく聞くけど、掃除じゃないの?」と、思っていませんか?
片づけとは、何が違うのでしょうか? 分かっているようで、正体を掴みにくいのが、5Sなのです。
一人ひとり、5Sのイメージが異なっているのです。
本家本元の5Sとは、「整理・整頓・清掃・清潔・躾」です。
5Sでは、「整理・清掃・整頓」の3Sを、この順番で進めることを推奨しています。
この3Sをきっちり進めると、後の2Sである「清潔・しつけ」が出来るようになります。
◆5Sの定義を正しく理解する
「整理」は、「要るものと要らないものを分けて、要らないものを捨てる」ことです。
これだけのことなのですが、実際にやってみると、かなり難しいのです。
それは、「要らないもの」を判断しなければならないからです。
たいていの場合、「要らないもの」が決められないのです。
「要るもの」とは、「使うもの」と考えると判断がしやすくなります。
「清掃」は、「いつもピカピカにきれいに保つこと」です。
いつ清掃を行うか(毎日、毎週、毎月)、そして、どこをどのように清掃を行うのかを決めて、しっかり清掃することにより、継続する習慣が身に付きます。
「整頓」は、「必要なものがすぐに取り出すことができ、そして、すぐに元に戻すことができること」です。
最適な置き場所を決めて、みんなで守ることが重要です。
最初は、「整列」という「ものを直角平行に置く」ステップを行うと、整頓がしやすくなります。
「清潔」は、この3Sをずっと維持すること
「しつけ」は、みんなで決めたことをみんなで守ることです。
【2】5Sはさまざまな効果に結びつく
5Sは、どんな効果があるのでしょうか?
現場がスッキリして作業が行いやすくなることは、誰でもイメージできます。
単に現場をきれいにするだけではありません。
さまざまな効果を出すことができます。
この効果を知っておくことが、非常に重要です。
5Sを進める時に、現場が良くなることをイメージすると、大きなやる気が生まれてくるためです。
◆5Sで得られるさまざまな効果(B035)
(1)安全性が高まる
(2)生産性が向上する
(3)品質が安定する
(4)スペースが広がる
(5)見える化が進む
(6)コミュニケーションが良くなる
(7)仕事が楽になる
(8)お客様が褒めてくれる
(9)改善力が向上する
(10)省エネになり地球環境に役立つ
これだけでは、ありません。
5Sを継続することによって、会社そのものを変えることができるのです。
5Sによって、工場をショールームにできた会社もある位です。
5Sによって「人の知恵やパワー」を引き出すことができます。
人の知恵やパワーは無限なのです。
【3】5Sは経営そのもの
5Sは現場改善には必ず必要なものです。
「現場改善そのもの」です。
「経営そのもの」と言っても良いのです。
5Sからスタートしなければ、現場改善は上手く進みません。
私は5Sから現場改善に展開させるので、「5S改善」と呼んでいます。
◆人は、どんな時にやる気が出るのか?
・昇格した、給料が増えた、報奨金をもらった
⇒ 継続が難しいため、一時的になりがち
・「自分で考えて、実際にやってみて、苦労しながらも実現できた」
⇒私の経験では、国内に限らず、海外でも、モチベーションが上がりました。
工夫して上手くいった改善を、社長やお客さんに褒められると、もっと改善を行いたいという気持ちになります。
この「自分で考えて実現できる」ことを体験できるのが5S改善なのです。
そして、現場のみんなで相談しながら、もっと大きな成果を出すことができれば、さらに現場のモチベーションが上がります。
5S改善を通して「みんなで考えて、みんなで決めて、みんなで守り、そして、改善する」を、毎日の習慣するのです。
習慣化できれば、さらに改善が進みます。
5S改善とは「決めて、守る」ことのトレーニング、つまり、「人材育成」そのものなのです。
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