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【2】人材育成がもっとも重要 
バブル崩壊後の日本は、失われた10年とか20年とか言われます。
いえ、まだ続いていて、「失われた30年」になるかも知れません。
会社には、どんな影響を与えたのでしょうか?

各社がこぞって採用を控えたために、その年代の人が居なくなってしまいました。
いわゆる「就職氷河期」です。
日本では、1993年から2005年と定義されているそうです。

この間の被害は大きく、現場のOJTが壊滅してしまったのです。
救いの道は、OFF-JTだったのですが、ほとんど機能しませんでした。
特に、私の勤務していた会社のように、本社の研修部門が独立採算になってしまうと研修費が上がり、ますます研修に行けなくなりました。
不景気になると、残業、出張、研修が真っ先に減らされるのです。

さらに人件費削減のため、年配の人員を大量にリストラしました。
若手の人材育成を、しっかり行うことのできる人員です。
教える若手が入ってこないので、役割を失い去っていったのです。

まだまだ元気な人たちなので、中国、韓国、アセアンに行き、元気よく指導を行いました。
その当時は、空港で海外に指導に行くOBに、よく会ったものです。
20年が経過し、誰もが予想した通りの結果になったのです。

製造業の空洞化が加速され、日本から大きな工場が次々になくなりました。
何とか開発力と製造力をある程度は残せたものの、最盛期に復活することはほぼ不可能でしょう。
OJTや現場改善力が大きく低下したことも、大きな要因の一つになっています。

お家芸であったIEやQCなどの管理技術も、ISOやコンプライアンスに振り回されて霞んでいる感じです。
こんなことは誰でも分かっていることですが、縮小サイクルに入った大企業では、人材育成も縮小させているのです。
実は、私の勤務して会社でも、ずっと継続していた人材育成を切り捨てたため、私は役割を失って早期退職しました。

そんな中で、私の居住地の複数の中小企業で「5Sの教育」について盛り上がっているのは、本当に嬉しいことです。
中小企業なので1社での人材育成が難しいので、数社で協同で行おうとしています。
固有技術の育成は何とかできますが、管理技術の育成は中小1社では難しいのです。
外部のコンサルタントにお願いする手もありますが、費用がかかりすぎます。

そこで、5Sを切り口にIEやQCの管理技術の育成が中小企業で実現できることが、非常に重要であると考えています。
現場がスッキリとして、ムダを無くすことができれば、人件費が高騰している中国に勝てるチャンスになります。
もちろん、全ての製品を持ち帰ることは難しいですが、日本で生産した方が有利になる製品を増やしていきたいものです。

日本の製造業を救う人材育成である「5Sの教育」について、考えていきたいと思います。
 
     
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