現場改善ヒント提案する現場改善コーチです

あなた一人で手抜きでできる楽々改善。楽に楽しく現場改善しましょう! 楽々改善舎
1人で学ぶ
誰にも聞けない「セル生産」 現場改善コーチが伝授します
【Q13】セル生産方式の弱点は?
セル生産方式は、請負をはじめとする非正規社員化の増加と共に、日本から姿を消そうとしています。
「多能工」がセル生産方式の前提となっているためです。
本来、日本の強みであった多能工が、セル生産方式の大きな弱点になってしまったのです。
そのため組立工程は、自動化か海外生産にシフトしています。

実際に、私が開発したセル生産ラインでも、この状態になりました。
開発した時は社員で行ったのですが、次第に非正規社員化されてしまいました。
もちろん、正しく訓練を行えば、非正規社員がセル生産ラインに入れます。
しかし、毎朝ちゃんとラインのメンバーが揃うか、不安定な状態になってしまったのです。

しっかり作業配分したセル生産ラインは、一人でも新人が入ると、ガタガタになってしまいます。
ベテランの社員も配置転換して居なくなると、現場では対処できなくなってしまったのです。
そのため、現場の判断で、セル生産ラインから元のラインに戻してしまいました。

さすがに、コンベアには戻せないので、手てワークを送る直線ラインに戻ったケースが多いです。
セル生産方式のノウハウは、生産技術からも現場からも、どんどん消えていきました。
私の所属した会社では、スタートが遅かったので、セル生産方式を活用したのは、5年程度だったようです。

本当に、セル生産方式は、現代にマッチしない生産方式なのでしょうか?
もう一度、セル生産方式の強みを思い出してみます。
セル生産方式をひと言で言うと、「非定員制のラインである」ことでした。

その強みを活かせば、非正規社員が増加すれば、定員を増やして生産を行えそうな感じがします。
しかし、そのようにはなりませんでした。
それは、現場で作業配分をコントロールできなかったからです。

開発された通りの作業配分で、非正規社員で生産しようとしたので、ガタガタになってしまったのです。
もちろん、非正規社員の中には、すぐに作業できる人もいました。
しかし、大半は組立作業がはじめてという人ばかりであり、熟練に時間を要したのです。
現場で作業配分を変えることも難しかったので、熟練に合わせて変化させることができませんでした。

最初は、セル生産方式は、多品種少量生産に強いラインを開発したのです。
しかし、同時に生産性も上がってしまったので、生産性ばかり追求してしまったのが敗因でした。
そのため、作業配分がガチガチになってしまい、少しでもペースが乱れると大幅に生産性が低下してしまったのです。

どうすれば、現在の状況の中で、セル生産方式を活用できるのでしょうか?
     
前ページへ 目次へ 次ページへ
   
copyright (c) 2016 楽々改善舎