現場改善ヒント提案する現場改善コーチです

あなた一人で手抜きでできる楽々改善。楽に楽しく現場改善しましょう! 楽々改善舎
1人で学ぶ
誰にも聞けない「セル生産」 現場改善コーチが伝授します
【Q8】どのように作業配分すれば良いのでしょうか?
10人のコンベアラインを、3名のU字ラインで生産することを考えていきます。
一人の作業は、10秒とします。総工数が100秒の製品です。
U字ラインは、セル生産方式の一つの生産方式で、上から見るとU字型をしています。

コンベアラインとU字ラインの違いは、「作業配分のやりやすさ」です。
作業配分とは、一人ひとりの作業者の作業を分配するということです。
全員が同じ工数になるように作業を分けるのです。
これが簡単そうで、とても難しいのです。

コンベアラインでは、隣の作業者しか作業を分けることができません。
例えば、ネジを5本締める作業を、二人の作業者に3本と2本に分配することは、理論上は可能です。
しかし、二人の作業者に電動ドライバーが必要になり、実際にはできないのです。

U字ラインのメリットの一つとして、作業台が対面しているため、多くの作業者間で作業の分配ができるのです。
今回のモデルとする3名のU字ラインであれば、3名全員で作業分配が可能です。
各作業者の作業スキルも考慮する必要があるので、3名で同じように作業分配できるのは、とても楽になります。

3名で100秒の作業なので、3名で一人30秒程度の作業を分配します。
先頭工程より、3名をAさん、Bさん、Cさんとします。
Aさんは、先頭工程から30秒を配分するのではなく、先頭と最終を15秒程度ずつ、計30秒を担当するように配分します。

これは、「IO一致の原則」のためです。
これを守らないと、Uじラインは絶対にうまくいきません。
Aさんが、製品を1個を完成させると、ワークを1個をラインに投入する必要があるからです。
先頭と最終工程を別の人が行うと、バランスが崩れ、ラインの中のワークの数が一定にならないためです。

先頭と最終工程を一人が担当することは、コンベアラインでは絶対にできません。
Bさんも、Aさんと同じように、Aさんに接した工程を担当できます。
Cさんは、真ん中の工程を担当することになります。
U字ラインが作業分配が行いやすい理由なのです。

U字ラインの形を決める前に、この作業配分をしっかり設計することが最も重要になります。
     
前ページへ 目次へ 次ページへ
   
copyright (c) 2016 楽々改善舎