現場改善ヒント提案する現場改善コーチです

あなた一人で手抜きでできる楽々改善。楽に楽しく現場改善しましょう! 楽々改善舎
1人で学ぶ
誰にも聞けない「セル生産」 現場改善コーチが伝授します
【Q3】何故、なくなったのでしょうか? 
現在、「セル生産方式」を活用しているという工場は少ないと思います。
「セル生産方式」と称して、立ち作業の手送りラインの場合もありました。
広い意味で、「セル生産方式」と言っても間違いではないと思います。
しかし、私の定義である「ライン定員の決まっていないライン」ではありません。

では「ライン定員の決まっていないライン」とは、どんなものでしょうか?
受注に合わせて、ある時は、日産1000台、またある時は、日産300台のラインを指します。
コンベアラインでは、極めて難しいことです。
しかし、価値観が多様化する現在では、重要な要求になります。

まさに、現在の要求にピッタリなのが、セル生産方式なのです。
何故、姿を消しているのでしょうか?
それは、現在の日本の製造力では、運用が難しくなったからです。

セル生産方式を運用するための最も重要な条件は、「多能工」です。
多能工とは、多くのものづくりのスキルを持っている人のことを指します。
反対に、コンベアラインでは、単能工でも大丈夫なのです。
生産が急増し作業者が不足する状態では、コンベアラインは最適だったのです。

コンベアラインでは、多くのスキルが必要とされないため、製造力が進化しませんでした。
コンベアを捨て、セル生産方式を導入した工場で、最大の課題になったのは、多能工の育成でした。
多能工の育成に成功した会社が、セル生産方式を運用することができたのです。

しかし、製造業では、請負をはじめとする非正規社員化が、急速に進むことになりました。
現場の多能工が減少したのです。
すると、セル生産方式は、ハイリスクなラインになってしまったのです。

セル生産ラインの複数の多能工にまじって、一人でも新人が入ると、生産性が激減します。
安定して生産するために、元に戻そうとしたのです。
しかし、コンベアは捨ててしまって無いので、立ち作業の手送りラインに変わったのです。

非常に残念ですが、この10年ぐらいで、組立系のものづくりは激変してしまったのです。
今後、どうすれば良いのでしょうか?
     
前ページへ 目次へ 次ページへ
   
copyright (c) 2016 楽々改善舎