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誰にも聞けない「セル生産」 現場改善コーチが伝授します
【Q2】どのように進化したのでしょうか? 
日本で「セル生産方式」は、どのように進化したのでしょうか?
「セル生産方式」と呼ばれるようになったのは、1990年代のようです。
しかし、その前から「U字ライン」や「二の字ライン」は存在していたようです。
「U字ライン」や「二の字ライン」は、「セル生産方式」の一つの形態です。

1980年代より、日本は生産の自動化が急速に進化します。
でも、自動車などの大物の組立ラインでは、自動化が難しく「U字ライン」に進化したようです。
「トヨタ生産方式」や「JIT」で、U字ラインの開発が行われていました。
一例としては、複数の大型の工作機をU字型に並べて、多能工が工作機を渡り歩いて作業を行う生産形態です。

1990年前後に、「セル生産方式」と呼ばれる生産方式が出現します。
その中心は、「一人屋台方式」だったように感じます。
作業者一人で、複数の作業を行う生産形態です。

キヤノンの高機能コピー機は、部品が1000点以上ありますが、それを一人で生産するのです。
当時、私も見学させてもらいましたが、感動したことを記憶しています。
2001年のNHKスペシャルで、携帯電話を一人屋台方式での生産が放映されたのも印象的でした。
小さな作業台で、携帯電話(ガラケー)を、全ての作業を一人で行い、完成させるのです。

このように、元々、TPSやJITで、「U字ライン」が進化していました。
その後、「一人屋台方式」が登場したのです。
その総称を「セル生産方式」と呼ぶようになったのです。

余談ですが、現場改善のコンサルタントの先生が、色々な名称を付けられています。
例えば、U字ラインは、Uライン、Uの字ライン、U字型ラインなどと呼ばれています。
U字ラインのファミリーには、二の字ライン、フラワーライン、L字ラインなどあるようです。
進化の中で、色々な生産形態を考案し、誕生させたのです。

この背景には、日本に強力なIEスキルが存在したことです。
IEは、インダストリアルエンジニアリングのことで、作業のムダを削減するためのスキルの一つです。
1970年代ごろに、コンベアラインの生産性向上を行うために、IEスキルが大きく進化していました。
このIEスキルとTPS、JITが融合して、U字ラインが開発されたと感じています。

このように、20世紀の日本の工場では、色々な生産方式が生まれ、進化したのです。
 
     
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