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【2】ジャストインタイムとは? 
「ジャストインタイム」という言葉を良く聞きます。
「必要なものを必要な時に必要な量だけ作る」ことであることも知っていると思います。
でも、どれだけ難しいものであるか、真剣に考えたことはないでしょう。

これほど実現が難しいな目標を掲げて実現できるトヨタは、本当に素晴らしい会社だと痛感します。
しかも、コンピュータが普及していない時代に、「かんばん」という紙切れで実現してしまうのですから神業だと感じます。
だから、他の会社が導入しても、なかなか上手くいかないのです。

考え方は素晴らしいので、自社に合った目標に置き換えることが重要です。
そして、目標実現のためにどうすれば良いか考えることが必要なのです。
ほとんどのケースは、「かんばん」は使用しなくても実現できます。
その目標の置き換えを考えていきましょう。

まず、「タイム」と言い切っているのがスゴイです。
タイムですから時間です。何時にいくつ作ることを目標にするのです。
戦後であれば、まだまだ、月次生産計画の時代です。
月内に生産すれば良かった時代に、トヨタでは「当日の何時に何個を生産する」ことを考えたのです。

タイムは、デイ(日)、製品によってはウィーク(週)で良いと考えています。
デイリー生産計画、または、週次生産計画です。
その日のうちに、必要な数量の生産をすることです。
これでも、かなりハードルは高いと思います。

もう一つ、難しい点があります。それは、「必要な量」です。
今では生産計画をシステムで出てくるので、生産する数量は簡単に分かります。
しかし、その数量が「必要な量」つまり、「確実に売れる量」であるかは、かなり疑問です。
デイに置き換えても、今日、本当に売れる量なのかと問うと、ほとんど答えられないのではないでしょうか?

現在は分業が進んでいて、生産と販売が別の部門になっている会社がほとんどです。
そのため、生産部門が売れ方を意識している会社が少ないのです。
これだけ多品種少量、しかも変動生産になっているのですから、生産部門が売れ方を知る必要があります。

つまり「製造現場が売れ方を意識しながら、ジャストインデイの生産を行う」ことです。
この生産方式が実現出来れば、在庫削減や品質向上は間違いがありません。
ただし、生産効率は必ずしも上がらないかも知れません。

たくさん売れない日は、生産数も減るため、生産効率がダウンするからです。
機械で生産している場合、生産設備の稼働率も低下します。
それでは困るので、毎日の生産数を近づける「量の平準化」が必要になります。

前後の予定分を当日に移した分は、今日の分の生産ではないことを把握していれば良いのです。
本来、今日の生産でないことを認識していることです。
しかし、「量の平準化」は生産計画担当の腕の見せ所になっています。これは非常に危険です。
生産数だけをパズルのようにいじると、出てきた生産計画の数字が売れるのか売れないのか分からなくなるからです。

実現にはかなり工夫が必要ですが、「パソコン+現場のノウハウ」で実現できると考えています。
それぞれの会社に適した生産方法を考えることが重要です。
     
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