5S活動から現場活動に発展させるヒント集です

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1人で学ぶ
「5S改善を止めないための15のヒント」 -5S活動の誤解-
3.5Sは改善の基礎ではなく経営そのもの
退職前の10年間は、企業の中でIEやQCの管理技術の教育を行っていましたが、あまり現場改善は進みませんでした。私の勤務していた会社の現場は、ある程度キレイだったので、5Sの活動はほとんど行わずに、現場改善だけを行っていたのです。現場改善のプロジェクトが進んでいる間は、現場が変わるのですが、プロジェクトが終了すると、現場が元に戻ってしまいました。

退職後、その原因を考えました。在職中は、5Sの位置付けは現場改善の基礎や準備であると教えられ、疑わずに実践していました。ある程度、キレイな現場だったので、あまり5S活動を行わなかったのです。これが、大間違いだったのです。これに気が付くまで、退職後1年以上もかかりました。「5Sは会社運営そのものであり、5S活動から革新や改善に発展できる」のです。特に、現場改善を推進する場合は、必ず、5Sからスタートしなければ、絶対に上手くいかないと考えています。しかし、ほとんどの会社は、5Sと現場改善は別物だと考えているようです。

さらに、5S活動は自分のために行うという考え方はありませんでした。現場で働く人のために5Sを推進すれば、必ず仕事がやり易くなります。5Sの最初は「整理」ですが、不要なものがなくなると、間違いなく仕事は楽になります。モノを探す行動だけでも、激減します。不要なものがたくさん残っている現場では、絶対に現場改善はうまく進まないのです。

5Sや改善でもっとも重要なことは「決めること」であることにも気がつきませんでした。社内コンサルタントの立場で工場に行くので、どうしても改善案を言ってしまいます。すると、現場メンバーは考えなくなります。5Sの整理は、要るものと要らないものを判断することですが、それすら行わず、事務局やコンサルの指示を待つようになります。要らないもの、つまり、捨てるものを決めることは、なかなか難しいことなのです。必要になった時のことを想像して、どうしても安全側に考えて、捨てられないのです。5S推進メンバーが整理をしっかり行えないレベルでは、さらに色々な決定が必要な現場改善は到底進まないのです。思い切って決定し、捨てるという行動が非常に重要なのです。

これを繰り返していると、「決めて、守る」ことができるようになります。現場改善は、今までにやっとことがないことを決めることが多いので、「決めて、守る」ことが出来ないと、すぐに壁にぶち当たってしまいます。社長が決めるのではなく、「現場のみんなが決めて、みんなで守る」のです。これが、しっかり出来るようになると、現場改善だけでなく経営そのものに、大きなメリットが出すことができます。

5S活動の最大のメリットは、「現場が元気になる」ことです。現場が元気になれば、5Sだけでなく、IEもQCなどの現場改善もどんどん進んでいきます。「5S活動+現場改善」になるのです。現場に少しの弱点があっても、現場が自信をつけると、すぐにカバーできるようになります。現場がキレイになり、見学者が増えると、もっともっとキレイになります。この好循環ができれば、現場改善はどんどん進んでいきます。これで、経営が良化しない会社はないでしょう。

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