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誰にも聞けない「在庫削減」 現場改善コーチが伝授します
【Q10】在庫を計算できますか? 
だんだん在庫の中身が分かってきました。やはり、在庫は少なくしたいものです。
でも、工場で生産を行ったり販売していると、在庫は安心できるものでもあります。

ここから、不要な在庫を減らす方法を考えていきます。
「不要な」と判断するために、基準をはっきりしていきます。
まずは、工場の生産と密接な関係にある「仕掛在庫」について行います。

仕掛在庫を論理的に計算する方法があります。
私は「整流化」と呼んでいますが、リードタイム分析改善の一つの手法です。
最近では、工程管理システムが発達しているので、キーをたたけば各工程のリードタイムが見えると思います。

しかし、もの流れが分かっていないと、その数字が良いのか悪いのか判断ができません。
リードタイムの単位は「日」ですが、そのまま、仕掛在庫量が何日と判断して間違いありません。
リードタイムを短縮できれば、仕掛在庫も少なくできます。

Q5の流れ分析で得られた下記の結果について、リードタイムを計算していきます。

▽ 材料A(4時間分)、材料B(8時間分)、材料C(3日分)を保管

○ 台車にて運搬20m、2時間に1回運搬

▽ 工程1近くの棚に一時保管。約2ロット分

○ 工程1の機械に運搬、セット

◎ 巻線工程(1ロット1000台、加工時間100分)

▽ 工程1近くの台車の上に一時保管

○ 工程2まで20m台車で運搬、4時間に1回運搬

一つずつ、具体的にリードタイムを計算してみましょう。
この結果が仕掛在庫になります。

▽ 材料A(4時間分)、材料B(8時間分)、材料C(3日分)を保管
材料倉庫から出庫した時点が、リードタイムのスタートになります。

○ 台車にて運搬20m、2時間に1回運搬
最長2時間停滞することがあります。運搬時間は無視できるぐらい短時間です。

▽ 工程1近くの棚に一時保管。約2ロット分
2ロット分の停滞が発生するので、加工時間×2ロットで4時間の停滞が発生します。

○ 工程1の機械に運搬、セット
数分程度で、無視できるぐらい短時間です。

◎ 巻線工程(1ロット1000台、加工時間100分)
加工に100分かかります。段取りや製品の取り出しを含めると2時間要します。

▽ 工程1近くの台車の上に一時保管。
○ 工程2まで20m台車で運搬、4時間に1回運搬
最長4時間停滞することがあります。運搬時間は無視できるぐらい短時間です。

各計算の結果をまとめると、次のようになります。

停滞時間は、2+4+4=10時間
加工時間は、2時間
運搬時間は、小さいので無視しました。2回の運搬で数分程度でしょう。

これだけでも、12時間、つまり半日分の仕掛在庫が発生しているのです。
ほとんど、停滞時間であることが分かったでしょう。

実際に「整流化」のリードタイム分析による在庫分析を、色々なラインで行いましたが、実態に即した値を得ることが出来ました。
次に、どうすれば仕掛在庫を減らすことが出来るのか考えていきます。
 
     
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