現場改善ヒント提案する現場改善コーチです

あなた一人で手抜きでできる楽々改善。楽に楽しく現場改善しましょう! 楽々改善舎
メルマガ で 5S改善を実践しよう!
「楽々改善ストリート3」 現場改善を楽しむ
2018.3.13 <第10号>

お疲れさまです。現場改善コーチの来嶋です。
あなたの5S改善は、順調でしょうか?
少しでも改善を進めて、楽に楽しくなって欲しいと願っています。

メールマガジン「楽々改善ストリート3」第10号をお届けします。

最近、いくつかの会社で一緒に5S活動を推進しています。
数社のメンバーが、持ち回りで担当の会社に集まって、一緒に5S活動を行うのです。
製造業だけでなく、色々な業種の会社のメンバーが参加します。
最初はどうなるかと思っていましたが、5S活動の悩みは共通しているようで、楽しく活動を行っています。
1社で単独に行うよりも、継続できそうです。

「現場改善を楽しむ」の10回目は、トヨタの高い現場管理力の秘訣である「目で見る管理」についてお伝えします。
色々な目で見る管理があります。うまく活用することが重要です。
そのまま実現することは難しいですが、考え方を理解することは重要です。

まずは、TPSの理解からスタートし、すぐに実践できるようにしたいと考えています。
次の手順で進めて下されば、嬉しいです。

(1)「現場改善を楽しむ」を読んで、概要を理解してください。
(2)実践すべき内容を、説明します。1週間で、ゆっくり実践してください。
(3)悩むことが発生したら、下記のメールアドレスにご連絡ください。ヒントをお送りします。

進めていく中での「悩んだこと」はじめ、ご意見・ご提案をお待ちしています。

※HPからご登録頂いた方、名刺やメールを頂きました方に発信させて頂いています。

----------------------------------
誰にも聞けない「トヨタ生産方式」
----------------------------------

<9章>目で見る管理とは?
TPSのイメージしにくい言葉の一つに「アンドン」があります。
「アンドン」とは「目で見る管理」の代表で、現場に設置されたラインの状態を示す表示板のことです。
イメージしやすい例では、機械に設置されたシグナルタワーやパトライトのことです。

「目で見る管理」とは、自働化を実現するための、非常に重要な手法の一つです。
機械のトラブル、作業の遅れや誤り、品質の異常などラインの問題をリアルタイムで見えるようにすることです。
問題が発生すればラインを停め、関係者が問題の発生した場所に集まり、大急ぎで復旧を行うのです。

トヨタの工場を見学すると、びっくりする位、大きな表示板が工場の天井からぶらげられています。
表示板には、ラインを示す数字や部外者には分からない記号が、ひしめきあっています。
見ていると、かなりの頻度で点灯するのです。スピーカーから、大きな音声が出る場合もあります。

一大事が発生した感じで、現場のメンバーがテキパキと対応しています。
緊張感ただよう現場なのです。緊迫感を感じます。
この大きな表示板であるアンドンが、全てのラインの指揮を行っている印象です。

「目で見る管理」と似た言葉に、「見える化」があります。
5Sの整頓を実現するときに、誰が見ても位置や品物が分かるように、ラベルなどを活用することです。
静的なイメージが強いのですが、ものづくりの管理を見える化することが「目で見る管理」なのです。

ラインや機械の状態は、アンドンの活用で、ある程度、知ることができます。
生産進捗は、現時点での生産目標に対しての遅れ進みの数量の表示で知ることができます。
しかし、投入または完成数量に限られる場合が多いのです。

各工程の遅れ進みは、どのようにして知ることが出来るでしょうか?
一つの方法は、各工程の在庫量で判断できます。
遅れている工程の前には、仕掛在庫が山のようになっています。

でも、仕掛在庫を置く場所がなくなってしまい、違う場所に移動すると、全くわからなくなります。
仕掛在庫を一時的に置く場所をしっかりと決め、標準の在庫量を決めることにより、遅れ進みが分かるようになります。
チェックする時間を決めて、しっかりと現場の管理者が状態を見て対処できれば、生産遅れの削減が実現できます。

もう一つの方法は、各工程の人員の作業の状態で知ることができます。
現場に行き、各工程の作業を確認して、手待ちがないか調べれば良いのです。
遅れている工程では、絶対に手待ちは発生しないからです。

しかし、この手待ちを実際に見つけることは、なかなか難しいのです。
日本人の特徴で、何もしないのがイヤなのです。
手待ちになると、しなくても良い掃除をしたり、不要な材料を運んだり、何か作業をしてしまうのです。
これが、現場の負荷状態を見えなくしてしまいます。

TPSでは、仕事がない時には「手待ち」をするように指導されているそうです。
私もJITの研修で、「仕事がない時には、マンガを読め」と教えられたことがあります。
マンガは乱暴だとしても、「手待ち」を見える化することは非常に重要です。

手待ちが見えるようになれば、「目で見る管理」が出来ている状態と言えます。
非常に奥深いのが、「目で見る管理」なのです。

---------------------------
さあ、実践してみよう
---------------------------

異常が見えるようにするための「目で見る管理」を行ってみましょう。
異常をしっかりと見極めることが重要なのです。

◇異常が発生した時に、すぐに分かるようになっているかチェックしてみましょう。

・シグナルタワーや表示で分かりますか?

・異常内容や原因が分かりますか?

・異常発生を記録していますか?

◇異常発生が分からなかった場合、どのようにすれば良いか考えてみましょう。

・機械が表示なしで停止していることがありませんか?

・機械は異常を検出して停止しているため、何らかの信号が取り出せるはずです。表示できるように考えてみましょう。

・もし、異常発生したまま機械が動き続けていたら、すぐに技術に相談しましょう。

◇事務作業では、見える化で効果を出せる場合が多いです。

・手待ち発生が見えますか? 手待ち状態になった時、すぐにリーダーに伝えるようにしましょう。

・在庫が多くなったり、なくなったことが見えるようになっていますか?

さあ、ゆっくり実践してみましょう!

 
前ページへ 目次へ 次ページへ
copyright (c) 楽々改善舎