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「楽々改善ストリート3」 現場改善を楽しむ
2018.1.30 <第4号>

お疲れさまです。現場改善コーチの来嶋です。
あなたの5S改善は、順調でしょうか?
少しでも改善を進めて、楽に楽しくなって欲しいと願っています。

メールマガジン「楽々改善ストリート3」第4号をお届けします。

「現場改善を楽しむ」の4回目は、トヨタ生産方式のもう一つの柱である自働化についてお伝えします。
そのまま実現することは難しいですが、考え方を理解することは重要です。

まずは、TPSの理解からはじめますが、実際に実践できるようにしていきたいと思っています。
次の手順で進めて下されば、嬉しいです。

(1)「現場改善を楽しむ」を読んで、概要を理解してください。
(2)実践すべき内容を、説明します。1週間で、ゆっくり実践してください。
(3)悩むことが発生したら、下記のメールアドレスにご連絡ください。ヒントをお送りします。

進めていく中での「悩んだこと」はじめ、ご意見・ご提案をお待ちしています。

※HPからご登録頂いた方、名刺やメールを頂きました方に発信させて頂いています。

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誰にも聞けない「トヨタ生産方式」
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<3章>にんべんのついた自働化とは?

TPSの二本柱のもう一つが、自働化です。
オートマチックの自動化ではありません。
トヨタが生み出した単語で、にんべんが付いているので「にんべんのついた自働化」とも言います。

正確には次を意味します。
「機械設備の異常や、品質の異常、作業遅れなど何らかの異常が生じたら、機械設備が自ら異常を検知し、自動停止するようにしたり、作業者自身が停止スイッチを押してラインを止められるようにすること」
つまり、自動停止装置付きの機械のことを言います。

機械はスイッチを押すと、どんどん生産してくれます。
しかし、調子が悪くなると、どんどん不良品を生産することになるのです。
朝、工場に行ったら不良品の山だった、なんて状態が発生することになります。

機械に異常を検出する機能がないから、このようなことが発生するのです。
つまり、自働化のねらいは不良品を作らないことにあります。
「品質は工程でつくり込む」というトヨタの品質の考え方の根幹をなすものです。

機械だけでなく、組立工程では人の作業についても、作業者自らがラインを停める機能があります。
トヨタがラインを停めることはありえないと思われているかも知れませんが、工場見学に行くとちょくちょくラインが停まるのを目にします。
ラインが停まるのではなくて、積極的にラインを停めているのです。

組立作業を行うエリアには「紐スイッチ」という特殊なスイッチが設置されています。
紐のついたスイッチで、作業者が紐を引っ張ると、コンベアが停まるのです。
品質異常の発生、作業の遅れ、部品の異常など、作業者が判断して紐スイッチを作動させるのです。

すると、アンドンという工場の天井に設置された大型の表示器に、すぐに異常発生が表示されます。
それを見たラインの上司がすぐに現場に行き、異常を処置してラインを稼働させます。
異常が発生したら異常を解決してからでないと、ラインを動かさないのです。

自働化を実現するのは簡単ではありません。
トヨタでは、機械を購入しても異常を検出する機能がなければ、異常検出機能を追加した後、生産に投入するそうです。
紐スイッチが引かれ助けに行っても、助けられなければラインは停まったままになります。
そのため、何十工程も作業ができるベテランが現場におられるそうです。

トヨタでは莫大の投資と計画的な人材育成を行って、自働化を実現しているのです。

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さあ、実践してみよう
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自働化とは、「品質は工程でつくり込む」ことでした。言いかえると、不良を現行犯逮捕するとも言えます。
モノ作りだけでなく事務の業務についても、品質をつくり込むことが重要です。
とりあえず生産しておいて、最後にまとめて良品/不良品を分類することは、正確には検査とはいわず「選別」と呼びます。

◇あなたの周りでは、品質は工程でつくり込むような業務の流れになっているか確認してみましょう。
・最後に選別を行っていませんか?
・作業を一つ行ったら、チェックを必ず行っていますか? (1ワーク1チェックといいます)
・事務所の方も、1ワーク1チェックで行っているか確認してみましょう。

◇少しでも、自働化に近づけるために何をすれば良いのか考えてみましょう。

さあ、ゆっくり実践してみましょう!

 
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