5S活動から現場活動に発展させるヒント集です

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「5S改善を止めないための15のヒント」 -5S活動の誤解-
10.5Sの継続には、清潔としつけの仕掛けが重要
5S活動は、整理・清掃・整頓の3Sで十分だと良く聞きます。トヨタ自動車も4Sと言っています。本当に、そうなのでしょうか? 5S活動としてもっとも難しいのが、活動を継続することなのです。トヨタ自動車のような組織がしっかりしていると4Sでも大丈夫なのかも知れませんが、業務を行いながら5Sを推進する場合には、最後の2Sが5S活動の維持のためにとても重要なのです。最初の3S推進の結果だけで、2Sは出来るものではないのです。

5Sでの「清潔」は、整理・清掃・整頓の3Sをずっと維持することです。一般的な「よごれが無くきれいなこと」とは、意味が異なっています。3Sを進めれば、自然に清潔やしつけができるという考え方もありますが、3Sをしっかりと継続するための「しかけ」がなければ、自然消滅やマンネリになることが多いのです。

そのしかけの一つが、5S活動を好きになることです。そのため、5Sの最低限の知識を勉強することが重要です。少し勉強すると、5Sをどんどん自分で実践できるようになります。共通の5Sの考え方や言葉を用いて、現場のみんなで一緒に考えてアイデアを出せるようになります。知恵を出して色々と工夫すると、5Sがうまく進みます。うまくいくことは面白いし、成功体験を重ねることができます。成功体験を重ねると、だんだん5Sが好きになります。5Sが好きになると、5Sを周りの人に教えてあげて欲しいのです。さらに、自分自身の理解が深まります。

5S活動がうまく進み、成果が出せるようになると、社長や上司、そして、お客様にほめられるようになります。ほめられることは、とても嬉しいし、大きなやりがい感を感じます。すると、さらに5Sが好きになり、もっと実践したくなります。この好循環を作って欲しいのです。5Sのアイデアは尽きることはありません。それほど、人間のパワーは、驚くほど大きいものなのです。このように、5Sを継続的に進めて欲しいのです。

5Sでの「しつけ」は、みんなで決めたことをみんなで守ることです。一般的には、社会の規律や礼儀作法を訓練することを指しますので、意味が異なっています。単に規則を守ることであると理解すると、やらされの5Sに陥ってしまいます。モチベーションを向上させるもっとも良い方法は、「自分で考え、自分でやってみて、工夫しながらうまくいって、褒められる」 というプロセスを経験することです。現場メンバーが、自らの手でやってみることが重要です。うまくいかないこともありますが、工夫すれば必ずうまくいきます。そして、社長やお客様にほめられるととても嬉しいものです。他人から指示されるのは、どうもやる気が出ません。社長の指示だと、やらざるを得ないのですが、ずっと指示ばかり受けていると、考えなくなって指示待ちになってしまいます。自発的にできなくなりやらされ感の大きな5S活動になってしまい、停滞してしまうことが多いのです。

つまり、最初の3Sは現場メンバーが主体的に推進する、清潔としつけの2Sは経営者や5S事務局などのスタッフが中心に進めるのが良いのです。単に、チェックを行うことや、活動を促すだけでは、継続的な活動はできないことが多いでのす。

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