5S活動から現場活動に発展させるヒント集です

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「5S改善を止めないための15のヒント」 -5S活動の誤解-
9.全員活動が理想だが、まずは2割で5Sを推進
一般的に、経営者は、「全社一丸」で進めようとします。まず、5S委員会のような組織を編成し、5Sリーダーを任命します。5Sリーダーの下に、いくつかの5Sチームを作り5Sリーダーに推進を任します。あなたの会社でも、このような組織が存在すると思います。でも、うまく進んでいますか?

全社で進めるのは良いことなのですが、5S委員会をつくっただけでは、5Sリーダーが進めようとしても、なかなか足並みが揃いません。それは、以下のような理由によります。
・ほとんどのメンバーは、5Sリーダーの活動と認識する
・5Sリーダーが一人で活動する

熱心な5Sリーダーの職場は5Sが進むのですが、5Sチーム毎の温度差が、どんどん大きくなっていきます。全社一丸は理想なのですが、極めて難しいことなのです。かならず、反対する人、やろうとしない人が必ず出てくるためです。だいたい、現場の皆さんは5Sには無関心なものです。だいたい、以下のようなやりたくない言い訳をします。「JIT生産革命抵抗の10項目」より抜粋
 「そんなことは、昔やって失敗した」
 「そんなことは、我々のやることではない」
 「話しは分かるが、そんなことはできない」

そこで、「2:6:2の法則」を理解しておくことが重要です。会社での「2:6:2の法則」とは、従業員の2割は危機感を持っている、従業員の6割は決め事には積極的ではないが従う、従業員の2割は変化することを嫌う・反対することです。2割の反対派が必ず現れるのです。よくやってしまうのは、反対派の2割を何とか説得しようとするのです。これが5Sの失敗原因となります。まずは反対派の2割を、反対派(アンチ)にしないことなのです。つまり、何もしないで傍観してもらうことです。反対派になるメンバーは、年配のベテランであることが多いことが多いのです。アンチになると手ごわいメンバーです。私は、反対派には「先輩のお手を煩わせません。暖かく見守ってください」と言えば良いと、アドバイスしています。

「2:6:2の法則」の中で、5S活動にとって重要なポイントを考えてみましょう。
・5Sリーダー、推進人員は2割に届かないことが多い
・反対派が強ければ、6割は反対派に流れる
・反対派が4割になれば、5S活動が止まってしまう
・2割がしっかりと5S活動を行うと6割が協力するようになる

まずは組織人員の2割を目標に、5S推進のメンバーを増やすことが重要です。5Sリーダーだけでは2割にならないことが多いので、それぞれのチームに協力してくれる推進者が必要なのです。少しずつ推進者を増やして、6割を味方にすることが重要なのです。6割のメンバーが推進すると、5Sはどんどん進んでいくようになり、2割の反対派も手伝ってくれることでしょう。

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