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8.「整頓」で誰でも分かるように
【まとめ】

「整頓」の頓とは、「すぐに」という意味で、すぐに「取り出せる」こと、そして、すぐに「元に戻せる」ことです。
特に、次に使うために、すぐに元の位置に戻せることが重要です。

置く位置が誰にでも分かるようにするには、「定位置、定品、定量」の3つのことを決める必要があります。
3つのことを定めるので、「三定(さんてい)」と呼ばれています。
誰が見ても分かるようにするには、ラベルを貼ると分かりやすいです。
ラベルは、ラベルプリンターで作成できます。

今は、多品種少量生産、変種変量生産の時代で、必要な工具や材料は、どんどん変化していきます。
工具や材料の三定は、みんなで守るのが基本ですが、変えてはいけないものではありません。
変化に対応した改善を行って、さらに使いやすいものの置き方をすることが重要です。

ラベルをマグネット・シートに貼り付け、マグネットを作業台に貼ると、位置の変更が簡単に行えます。
イレクターを活用すると、作業台、台車、材料や製品の棚など、工夫すればどんなものでも出来ます。

【1】「整頓」とはすぐに元に戻せる

整列で、作業台や机の上がスッキリしました。
見栄えだけでなく、作業性も良くなっています。
しかし、良い状態は、なかなか続かないのです。
しばらくすると、斜めになったり、工具がなくなったりします。
工具がなくなると、イライラします。
整列で見つけた良い状態を維持するために、「整頓」が重要になります。

◆「整頓」の頓とは、「すぐに」という意味
「すぐに」することは2つあります。
一つは、すぐに「取り出せる」こと、もう一つは、すぐに「元に戻せる」ことです。
特に、次に使うために、元の位置に正しく戻せることが重要です。
そのためには、置く位置が誰にでも分かるようにする必要があります。

【2】誰が見ても分かるようにしましょう

誰にでも分かるように置き場所を決めるため(B026)には、「定位置、定品、定量」の3つのことを決める必要があります。
ものを置く位置、何を置くか、そして、数量を決めます。
例えば、「作業台の真ん中に、ドライバーを、1本」という感じです。
3つのことを定めるので、「三定(さんてい)」と呼ばれています。

◆「定位置、定品、定量」を決めるために
誰が見ても分かるようにするには、ラベルを貼ると分かりやすいです。
ラベルは、ラベルプリンター(テプラなど)で作成できます。
ラベルを作って机に貼り付ければ、「定位置」と「定品」を決めることができます。
工具や品物にもラベルが必要ですが、見れば分かるものはラベル無しでも構いません。
特殊な工具や品物などは、名前ラベルを貼りつけた方が分かりやすいです。

数量は、ラベルに品名と一緒に、例えば「レンチ/1本」と書けば簡単です。
また、品物のまわりに細いテープで囲う方法もあります(B028) (F015,F016)
囲った中には、必要な数量だけしか置けないようにすると、数量だけでなく置く方向も決めることができます。
決めた位置にものを置くと、スムーズに作業ができるようになり、作業にリズムが生まれてきます。

反対に、ものがなくなった時の探す動作は、作業のリズムを大きくこわしてしまいます。
工場を訪問して、正しい位置が一目で分かるのは、とても感動します。
この工場は「整頓」が出来ていると判断できます。
「整頓」のレベルが高いと、現場が引き締まっているという印象を与えます。

【3】変化に対応した「整頓」の方法

今は、多品種少量生産、変種変量生産の時代です。
そのため、必要な工具や材料は、どんどん変化していきます。
工具や材料の三定は、みんなで守るのが基本ですが、変えてはいけないものではありません。
品種構成や作り方の変化に対応した改善を行って、さらに使いやすいものの置き方をすることが重要です。
みんなで相談して、変化に対応した整頓を行ってください。

◆簡単に変えることが出来ますか?
ラベルをマグネット・シートに貼り付け、マグネットを作業台に貼る(F013,F014) (A025) と、位置の変更が簡単に行えます。
工具などを、たくさん使用している場合は、ラベルを作成するのが大変です。
そんな場合は、写真を使うと楽です。工具を並べた状態で写真を撮り、原寸大で印刷して貼り付けます。
写真だと、どの工具をどこに置くのか、一目でわかります。
工具の名称が必要な場合は、印刷したシートにフリーハンドで書けば良いでしょう。
PCで工具などの名称を記入すれば、さらにキレイにできます。
この方法だと、一枚のシートで多くの品物の場所を決めることができます。
カラー印刷を行えば、さらに分かりやすいです。
改善を行って、ものの置き場所を変えた時も、写真を貼り直すだけで済みます。
どんどん改善を行っても、楽に三定ができます。

工具の形にくり抜いたマット(姿置き・形跡管理)を、よく見かけます。
カッターで工具や文房具の形に、マットをくり抜いて作ります。
5S活動の意識付けには効果的なので、一度は経験してみるのは良いと思います。
でも、製作に時間がかかる上、よごれると汚くなるので、私はお勧めしません。
あまり使いやすいものでもありません。
もっとも大きな問題は、改善を行って置き場を変更するたびに、新しく製作しなければいけないことです。
手間がかかるので、どうしても改善にブレーキがかかってしまうものです。
現場改善は、楽に楽しく進めたいものです。

◆変化に対応した整頓を楽に行うために
5Sに欠かせないものがイレクターです。
イレクターはパイプとジョイントとの組み合わせにより、いろいろなカタチをつくることができる組立素材です。
作業台、台車、材料や製品の棚など、工夫すればどんなものでも出来ます。
(イレクターは、矢崎加工の商品名です)

パイプは簡単にカットできるので、大きさや形状を変化させることができます。
製作したイレクター製の作業台などを使ってみて、使いにくいところがあれば、後からでも改善ができるので、とても便利です。

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