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【2】社員食堂はなぜ並ぶのか? 
私の身近なサービス業での出来事を思い出してみます。
まず、在職中にお世話になっていた社員食堂です。
人数が多いので、毎日、長蛇の列になっていました。
一度、リニューアルしたのですが、さらに列は伸び、いつまでも短くなることはありませんでした。

社員食堂は2Fにあるのですが、階段も並んで1Fまで列ができることもありました。
毎日、私は熱い蕎麦を食べていましたが、特に麺類のコーナーの列が凄かったのです。
かなり待つので、食堂の人の作業をじっと観察できました。

そのころ、各地の工場の改善のサポートをしていたのですが、食堂のサポートができれば待ち時間が短縮できるのにと、いつも思っていました。
決して食堂の人が、さぼっているのではないのです。
反対に、懸命に頑張ってくれていました。かなりの重労働だったと思います。

その社員食堂の麺類のコーナーは2つの問題点がありました。
一つは、お汁を大きな鍋から、直接どんぶりに入れていることです。
大きなお玉でお汁を入れるのですが、下に置かれている鍋から、作業台の上のどんぶりまで持ち上げが発生していたのです。
この作業を何回も何回も行うので、女性では大変なようで、だいたい男性が行っていました。

確かに大変な作業だと思います。腕が疲れるし、作業に時間もかかります。
どうして、ポンプを導入して、くみ上げないのか不思議に思っていました。
少し投資が必要ですが、ポンプだけですから、それほど高いものではないと思います。
または、高松のさぬきうどんのように、食べる人がお汁を好きなだけ入れるようにすれば、もっと楽に早くなります。
ただし、投資はもう少しかかると思います。

二つ目は、麺をゆででてから、どんぶりに入れ、それを4鉢ずつトレイに入れて、お汁を入れるところに運んでいたのです。
どんぶりを並べたトレイを何段か積んで、お汁のところに運びます。
お汁を入れる人は、トレイが空になると、空トレイを取る作業が増えます。
トレイが積まれたら、麺をゆでるところに返す作業も必要です。

どうして、トレイが必要なのでしょうか?
ゆでた麺が入ったどんぶりを横スライドでお汁のところに送れば良いのです。
作業台はステンレスなので、つるつるなので横スライドできます。

必ず、ゆでた順番にお汁を入れるので、のびたりしません。
トレイを多く積むと、下の方のトレイのどんぶりは、もっとも早くゆでた麺なので、少しのびているのです。
トレイの上の方のどんぶりにあたると、美味しい麺が食べれるとホッとしていたのを思い出します。

一般の食堂のやり方を変えずに大量生産していたので、時間もかかるし作業も大変なのです。
やはり、大量生産に適した方法に工夫することが重要です。
ちょっとしたことなのですが、この二つを行えば、劇的に作業は楽になり、列も短くなります。

工場ではあたり前のことなので、そんなヒントをサービス業の皆さんに伝えたいと思いました。
     
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