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誰にも聞けない「在庫削減」 現場改善コーチが伝授します
【Q11】仕掛在庫をどのように減らすのですか? 
在庫削減をするために「在庫を一律20%削減」を目標にして活動しているケースをよく見かけます。
残念ながら、ほとんどのケースが、掛け声だけで終わっているようです。
どうしてなのでしょうか?

それは、理にかなった在庫削減ができていないのです。
在庫は、気合だけでは削減できません。
流れ分析で分析した仕掛在庫の一つずつ、何故、発生しているのかを考えないと削減は出来ないのです。
では、Q10の例を用いて、⇒以下のように、削減してみましょう。

○ 台車にて運搬20m、2時間に1回運搬
最長2時間停滞することがあります。運搬時間は無視できるぐらい短時間です。
⇒運搬頻度を2時間から1時間に変えてみましょう。最長1時間の停滞になります。

▽ 工程1近くの棚に一時保管。約2ロット分
2ロット分の停滞が発生するので、加工時間×2ロットで4時間の停滞が発生します。
⇒一時保管を2ロットから1ロットに変えてみましょう。加工時間×1ロットで2時間の停滞になります。

○ 工程1の機械に運搬、セット
数分程度で、無視できるぐらい短時間です。
⇒特に、改善は不要です。

◎ 巻線工程(1ロット1000台、加工時間100分)
加工に100分かかります。段取りや製品の取り出しを含めると2時間要します。
⇒よく、機械のスピードアップを行うことがあります。投資を行う機械の改造になるケースが多いです。
もし10%のスピードアップができても、10分しか短縮できないことになります。
コストパーフォーマンスが低いので、後回しにしましょう。

▽ 工程1近くの台車の上に一時保管。
○ 工程2まで20m台車で運搬、4時間に1回運搬
最長4時間停滞することがあります。運搬時間は無視できるぐらい短時間です。
⇒運搬頻度を2時間から1時間に変えてみましょう。最長1時間の停滞になります。

各計算の結果をまとめると、次のようになります。

停滞時間は、1+2+1=4時間
加工時間は、2時間
運搬時間は、小さいので無視しました。2回の運搬で数分程度でしょう。

これだけの改善でも、12時間が6時間まで、半減できました。
改善内容は、今すぐにでもできる内容で、停滞時間が10時間から4時間に短縮できました。
機械の改造などの投資を必要とするものではありません。

もちろん、運搬回数が増えますが運搬時間は最初から大きなものではありませんでした。
しかし、運搬作業そのものは疲れる作業なので、作業改善を行うことが重要です。
最も良い改善は運搬距離の短縮ですが、機械の移動を伴うことが多いので簡単ではありません。
運搬する台車の車輪を大きくして軽くする、積み下ろしの高さを機械と揃えてしゃかむ動作をなくす、などの作業改善が有効です。

このように、仕掛在庫は現場の作業を少し改善するだけで、大きく減らすことが出来るのです。
 
     
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