誰にも聞けない「在庫削減」 現場改善コーチが伝授します |
【Q3】何故、在庫は良くないのですか? |
在庫は、「罪庫」とか言われ、悪者になっています。何故でしょうか?
機械が故障しても、在庫があったので助かったことが、何度もあると思うのですが…
本当に悪いものなのでしょうか?
経営書を見ると、在庫が悪いのは、在庫に金利がかかるからだと書かれています。
資産だけれど、お金として使えないので、良くないとも言っています。
はたして、それだけなのでしょうか?
工場を見ると、在庫が多いと場所を取ります。
製品だとダンボールに入っているので、工場なのか倉庫なのか分からなくなってしまいます。
倉庫の中で、生産している感じです。確かに良くないです。
しかし、在庫が一番悪いのは「あらゆる問題を隠す」からなのです。
問題が隠されてしまうと、現場改善が進まないのが、最も良くないのです。
それだけ…?と思った方が、おられたでしょう。
現場改善を行うのと行わないのでは、長期的に見れば、とてつもなく大きな差になります。
「あらゆる問題を隠す」とは、どんなことなのでしょうか?
例えば、ある工程の機械が壊れたとします。
仕掛在庫があれば、後工程に流すことができ、問題にはなりません。
ゆっくり修理を行えば良いのです。
現場の方は、それで良いじゃないの?と、考えますね。
これが、大きな間違いなのです。
これでは、「機械が故障した」という大問題が解決できないのです。
仕掛在庫が、ゼロだったとしましょう。
すると、すぐに後工程はラインストップです。
後工程から『やいのやいの』大変なことになります。
現場感情からすると、仕掛在庫を持ちたいですね。
でも、ゼロを目標に、機械が故障しない改善を行うことが重要なのです。
故障しない改善は難しいのですが、継続的に行わないと、永久に故障し続けます。
それから、その工程で仕掛在庫が作れるということは、生産能力に余裕があると言うことです。
営業部門も同じです。製造に生産指示を忘れていても、製品在庫があれば助かります。
調達部門も、材料の入手が遅れても、材料在庫があれば助かります。
このように、色々なムダや気のゆるみを生むのが、在庫なのです。
在庫削減は現場にとって厳しいですが、うまく進めて欲しいのです。
どうすれば、楽に在庫削減ができるのか考えていきましょう。
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