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誰にも聞けない「セル生産」 現場改善コーチが伝授します
【Q11】「IO一致」とは何ですか?
セル生産方式には、守らなければいけないルールの中の、IO一致、標準手持ち一定について説明します。
「IO一致」とは、「アイオー一致」と読みます。
インプットとアウトプットを一致させるという意味です。

工程のインプット、つまり、先頭工程です。アウトプットは、最終工程になります。
先頭工程と最終工程を、同じ人が作業をするということです。
コンベアラインでは、逆立ちしてもできません。

同じ作業者が担当すると、完成品を1個、アウトプットしたら、ワークを1個、インプットする作業になります。
これは、トヨタ生産方式のプル型生産方式になります。
これを守らなければ、どうなるのでしょうか?

先頭工程と最終工程を別の人が担当すると、作業の速さを同じにすることはできません。
コンベアラインは、コンベア速度で同じに出来ていましたが、セル生産方式ではコンベアがないので出来ないのです。
先頭工程の人が早くなると、ラインの中にどんどんワークが溜まっていきます。
反対に、最終工程の方が早いと、ライン内にワークがなくなってしまいます。

必ず、1個アウトプットしたら、1個インプットするようにして、ワークの数を一定にします。
このライン内のワーク、つまり、ライン内の仕掛品のことを、「標準手持ち」と呼びます。
これが、「標準手持ち一定」のルールです。

セル生産方式、例えば、U字ラインで、なぜ、IO一致が出来るのでしょうか?
それは、ラインをU字型に曲げたからです。
ちょうど、先頭工程と最終工程が向かい合っているので、IO一致が出来るのです。

工場にお邪魔すると、せっかくU字型にしているのに、先頭と最終工程を別の人が作業しているのを見かけます。
管理工程図通り、作業配分すると、このようになってしまいます。
品質管理部門が強い工場などで、見られる現象です。

反対に、標準手持ち一定が崩れて、不良を発生させる怖い原因になります。
特に、後工程が遊ばないように、先頭工程を早くすると、どんどんワークがライン内に溜まっていきます。
作業者は置き場所がなくなると、あちことに置くようになります。
すると、どこまで作業したワークか分からなくなります。

さらに、取り置きされたワークが、後から流れるので、品質保証ができなくなります。
不良が発生したら、その日、一日分を全て解析しないと、不良流出が抑えられなくなります。
色々と、やっかいなことになるので、私は「不良ライン」と判断します。

この「IO一致」「標準手持ち一定」が、最も重要なルールなので、必ず守るようにしてください。
     
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