誰にも聞けない「セル生産」 現場改善コーチが伝授します |
【Q4】どんなメリットがありますか? |
「セル生産方式」は、多品種少量生産に適していると言われています。
コンベアラインでは、どうして対応できないのでしょうか?
「セル生産方式」のメリットについて考えてみましょう。
コンベアラインは、少品種大量生産に適した生産方式です。
特定の品種について、IE改善を行い、生産性を最大にしたラインです。
そのため、品種切替には、長時間を要することが多いのです。
1週間、ずっと同じ品種を生産できた時は最適でした。
しかし、バブル崩壊後は、一日に多くの品種を生産しなければならなくなりました。
そのため、コンベアラインの高い生産性が、足を引っ張ったのです。
そこで、発想を大きく変えて、「多く生産する」から「少なく生産する」ことを考えたのです。
この「少なく生産する」ラインが、「セル生産方式」なのです。
品種切替ロスを最小にし、同時に異なった品種を生産できるようにしたのです。
大きなコンベアラインのコンベアを取り去り、作業台をU字型に並べて、少人数で生産を行いました。
1台のコンベアを、多くのセル生産ラインに変えたのです。
今まで目指してきた大量生産ではなく、全く反対の少人数で少なく生産することを目指したのです。
確かに、多品種対応には有効でした。
しかし少量生産なので、誰もが生産性が低下すると考えました。
最初は、多能工訓練を必要としたので、生産性が大きく低下しました。
ところが熟練してくると、じわじわと生産性が向上しだしたのです。
ついに、不思議なことに一人当たりの生産性がコンベアラインを抜いてしまったのです。
しかも、品質もコンベアラインを上回りました。
「セル生産方式」は、多品種少量生産なのに生産性・品質共に、コンベアラインを超したのです。
どうして、生産性が上がったのでしょうか?
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