「ムダ」を楽と楽しさに変える楽々改善 |
【6】日本に眠るムダ |
色々なムダがあることが、分かってきました。
もう少し、日本に眠っているムダについて考えてみましょう。
戦後、日本では製造業全盛の時代を迎えます。
大きな工場から町工場まで、多くの工場が生まれました。
当時は、コンベアライン全盛の時代です。
コンベアに多くの作業者が並んで生産を行っていました。
全長100mを超すコンベアもあったようです。
つくれば売れた時代ですので、少しでも多くつくれるように改善が行われていました。
IE(インダストリアルエンジニアリング)全盛時代です。
その当時に書かれた「IE」の本がたくさんあります。
多くのIE手法を用いて、作業改善が行われ、ムダが排除されていたようです。
1980年代になると、生産の自動化が活発に行われるようになりました。
産業用ロボットを用いたFA(ファクトリーオートメーション)の時代です。
高額の投資を行って、自動ラインを導入しました。
すると、手作業による生産が激減し、作業改善が行われなくなりました。
私が入社したのが1981年ですが、入社時に少しだけ、IEを勉強しました。
しかし、使うことなく忘れてしまいました。
自動ラインのために、使うところがなかったのです。
その時代に、たくさんのムダが日本に埋もれたと考えています。
私の勤務する会社では、確実にその時代に、IEはなくなりました。
1991年のバブル崩壊後、ムダに注目した企業がありました。
高額の自動ラインを廃棄し、セル生産や屋台生産を導入した工場が出て来ました。
一部の工場では、ムダを意識するようになりました。
しかし、大半の工場が機械による生産を優先していたようです。
私の勤務していた会社では、やっと2000年になって、ムダについて考えるようになりました。
しかし、あくまでも自動化が中心で、ムダの改善は一部分にしか過ぎませんでした。
そのため、今でも各工場には多くのムダが潜んでいます。
このようにして、日本の多くの工場では、ムダを見つけ改善するスキルが低下しました。
そして、非常に多くの「ムダ」が埋もれてしまったのです。
このムダは資源であり、うまく活用することが重要なのです。
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